2018年3月22日に、全日空(ANA)は2018年秋から国内線運賃を改定すると発表しました。これまでの馴染みのある「特割や「旅割」といった名称も変更となり、「ANA FLEX」「ANA VALUE」「ANA SUPER VALUE」の3つのラインナップが新設されます。予約期間なども変更になるためANAをよく利用するユーザーは新しい運賃体系を理解しておきましょう。
ANA国内線運賃がリニューアル
2018年3月22日に発表されたANAのプレスリリースによるとポイントは3つ。
- シンプルでわかりやすい運賃ラインナップへ生まれ変わります。
- 予約・販売期間をご搭乗日の355日前へ拡大します。
- 特典航空券のご予約期間を拡大します。
乗るたび、ワクワク。 FEEL THE NEW SKY 2018年秋、国内線運賃がリニューアル!|プレスリリース|ANAグループ企業情報
運賃体系のリニューアル
国内線の運賃は「ANA FLEX」「ANA VALUE」「ANA SUPER VALUE」の3つのラインナップに大幅に改定されます。今までの運賃との違いや使い勝手などを正しく理解しておく必要があります。
ANA運賃は3つのタイプに
「片道運賃」「往復運賃」は「ANA FLEX(ANAフレックス)」に一本化され、「特割」は「ANA VALUE(ANAバリュー)」に「旅割」は「ANA SUPER VALUE(ANAスーパーバリュー)」という名称にリニューアル。
旧運賃とリニューアル後の運賃名称は以下の通り。
旧名称 | 新名称 |
---|---|
「片道運賃」「往復運賃」 | 「ANA FLEX(ANAフレックス)」 |
「特割」 | 「ANA VALUE(ANAバリュー)」 |
「旅割」 | 「ANA SUPER VALUE(ANAスーパーバリュー)」 |
予約期限が75日前の「旅割75」、3日前までの「特割3」といった数字は引き継がれ、「ANA SUPER VALUE 75」「ANA VALUE 3」という名称になります。
空席連動型運賃「ANA FLEX」
「ANA FLEX(ANAフレックス)」はいわゆる普通運賃で、変更が何度でもできるけど料金が高い運賃。「片道運賃」と「往復運賃」が一本化されたことにより往復割引(現状は10%程度)はなくなりますが、これまで固定だった運賃が空席連動型運賃に。
運賃の幅は空席状況によりA・B・C・Dの4段階で、「ANA FLEX-A」「ANA FLEX-B」のように、A~Dのアルファベットを加えた運賃として表示され、「ANA FLEX-A」が一番高く「ANA FLEX-D」が最安値の運賃となる。
また後述する販売期間の拡大により、従来2か月前の予約開始が355日前と大幅に前倒しする形になり、『高くてもよいので席を確保したい』というにニーズに応えることが可能になります。
現在 | 変更後 | |
運賃名称 | 「片道運賃」「往復運賃」 | 「ANA FLEX(ANAフレックス)」 |
運賃タイプ | 固定運賃 | 空席連動型運賃 |
予約開始日 | 搭乗2か月前 | 搭乗355日前 |
早割型運賃「ANA VALUE」「ANA SUPER VALUE」
一方「特割」「旅割」から名称が変更になった「ANA VALUE」「ANA SUPER VALUE」は、基本的な仕組み自体は変わっておらず、「ANA VALUE」が1日前と3日前が予約期限で「ANA SUPER VALUE」は21・28・45・55・75日前が予約期限の早割型の運賃タイプ。
予約する日が遠いほど運賃は安いが、予約後の取消料が高くなるのが特徴。発売日はこれまで通り夏ダイヤ・冬ダイヤ決定後の年2回で、最長約8か月先までの予約が可能です。
ANA新運賃体系まとめ
ANAの新運賃体系をまとめると以下の通り。
運賃名称名称 | ANA FLEX | ANA VALUE | ANA SUPER VALUE |
---|---|---|---|
販売開始 | 搭乗355日前9:30 | 運航ダイヤ期間一斉発売※ | |
予約変更 | 可 | 不可 | 不可 |
取消手数料 | なし | 運賃の5% | 運賃の30%~60% |
払戻手数料 | 430円/1区間 | 430円/1区間 | 430円/1区間 |
※夏ダイヤ(3/末~10/末)は1月末頃の発売で、冬ダイヤ(10/末~3/末)は8月末頃の発売となります。
販売期間は拡大し約1年前から予約可能に
前述した「ANA FLEX」に加え、これまで搭乗日2ヵ月前から発売しているビジネスきっぷや株主優待割引運賃なども、約1年前の搭乗日355日前からの発売に変更となりました。
「ANA VALUE」「ANA SUPER VALUE」は運航ダイヤが確定する年2回の一斉発売で、その他ためたマイルで利用できる特典航空券などもこれに合わせて販売期間が拡大されました。
ANAの新運賃まとめ
LCCの登場で、既存の航空会社もどんどん空席連動型運賃を導入しています。航空会社にとっては空いてる席を少しでも高く販売できる空席連動型運賃は合理的なので、この流れは他の航空会社にも波及するとみて間違いありません。
旅行などで予約する場合は、少しでも早く予定を立て航空券を確保することが安く購入することにつながります。ただし一方では、券種別の変更やキャンセルなどのルールがどんどん複雑化していくので、しっかり理解した上で予約することが必要になりますね。