JRの特急列車や新幹線のきっぷを買う場合、みどりの窓口や旅行会社窓口よりもインターネット予約がおすすめ。インターネット予約なら、自分の好きな時にパソコンやスマホで予約することができる上、ネット限定の割引きっぷが安く購入できます。
出張や移動でJRをよく使う方はもちろん、年に一度帰省や旅行などで新幹線を利用する方も、覚えておいて損はないJR・新幹線のインターネット予約についてまとめてみました。
目次
JR新幹線インターネット予約のメリットと注意点
JR新幹線のきっぷは駅で購入するよりも、インターネットで予約し購入する方がメリットは大きい。注意点に気を付けて上手に利用したい。
インターネット予約のメリット
インターネット予約なら、駅に行かなくても自宅のパソコンやスマートフォンから、簡単にJRのきっぷを予約することができます。予約の変更(変更可能なきっぷに限り)や座席指定もネットで自由にできます。
みどりの窓口の列に並ぶ必要もないので、列車の出発時間に合わせて駅に向かい発券機で予約済みのきっぷを受け取ればOK。チケットレス乗車が可能なきっぷなら、受け取りも不要です。
さらにインターネット予約では、大幅に割引されているネット限定のきっぷも購入できます。予約日や対象列車の制限などがあるものの、普通にみどりの窓口で購入するよりもかなりお得。またネット予約なら混雑期の事前受付も可能で、通常発売日の1週間前から申込みができ、お盆や年末年始など混雑期や人気の列車も発売と同時に予約可能。
インターネット予約の注意点
インターネットで予約したきっぷの支払いは、原則クレジットカード払い。現金や振り込みといった支払い方法では購入できません。(一部現金決済に対応)
インターネット予約は申込みをした時点で契約が成立します(「購入手続き完了」となった時点)。そのため契約成立後に指定席が不要になった場合は、払戻手数料がかかります。
予約したきっぷは、乗車前に指定席券売機(みどりの窓口でも可)で受け取ります。その際、決済に使用したクレジットカードが必要です。
JR新幹線インターネット予約の購入方法
ネット予約は、JRの会員制サービスに登録する必要があります。いくつか注意点はあるものの一度覚えてしまえば便利でカンタン。
- インターネット予約サイトにて会員登録
- パソコン、またはスマートフォンの予約サイトで申込み
- 駅の指定席券売機にてきっぷ受け取り出発
インターネット予約のきっぷの受け取りは会員本人のみ可能で、受け取り時に以下のものが必要です。(エクスプレス予約は専用のICカードによる乗車も可能)
- 購入(予約)手続き完了時にお知らせした「予約番号」(5桁)
- お申込み時点でご登録されている「クレジットカード」
- クレジットカードの暗証番号(4桁)
JR新幹線のインターネット予約サイト
JRのネット予約で一番ややこしいのが、JR各社がそれぞれ別の予約サイトを運営しているということ。予約サイトによって対象となる路線(予約できる路線)が違ったり、割引きっぷの種類や条件も微妙に違います。
基本的に自社のエリアを中心に割引きっぷを用意しており、JR北海道のエリアはJR東日本の「えきねっと」が、JR四国のエリアはJR西日本の「e5489」がカバーしています。JR東海エリアの列車のみ、いずれの予約サイトも取り扱いがないの注意が必要です。
JRネットサービス | 運営 | 対象路線 |
---|---|---|
エクスプレス予約 | JR東海・JR西日本 | 【新幹線】東海道新幹線、山陽新幹線 |
えきねっと | JR東日本 | 【新幹線】全国の新幹線 【その他】全国の特急列車、一部の快速列車指定席 |
e5489 | JR西日本 | 【新幹線】山陽新幹線・九州新幹線(新大阪~鹿児島中央) 【その他】JR西日本・JR四国・JR九州エリアの特急・急行列車(一部の快速列車含む)、JR東日本・JR東海の対象エリア内の新幹線・特急・急行列車等 |
JR九州インターネット列車予約サービス | JR九州 | 【新幹線】東海道新幹線、山陽新幹線、九州新幹線 【その他】JR九州・JR西日本エリアの特急列車 |
上記の通り各JRの会社ごとにネットサービスが分かれており、どの予約サイトを利用すればよいのか迷うことになります。きっぷが受け取れる駅に制限があるため、自分が住んでいる地域のJRのネットサービスを選ぶことになります。
東海道・山陽新幹線しか利用しないという方は「エクスプレス予約」がおすすめです。
東海道・山陽新幹線なら「エクスプレス予約」
エクスプレス予約は、東京~博多間の東海道・山陽新幹線のインターネット予約サービス。専用のクレジットカードへの入会が必要ですが、通常よりかなり安い価格で新幹線のチケットを購入できます。
運営 | JR東海・JR西日本 |
---|---|
対象路線 | 東海道新幹線(東京~新大阪)、山陽新幹線(新大阪~博多) |
年会費 | 1,080円(税込) |
きっぷ受け取り | JR東海・JR西日本の指定券の発売を行っている駅(JR東海・JR西日本のきっぷ売場に限る) |
支払方法 | 会員登録したクレジットカードのみ |
エクスプレス予約のメリット
エクスプレス予約のメリットは、お盆や年末年始、連休などの繁忙期でも、東海道・山陽新幹線の指定席を会員価格で利用できること。早めの予約で割引額が大きくなる早得商品も豊富。その他にも、対象のきっぷなら自由に予約の変更ができたり、専用のICカードによるチケットレス乗車など、料金以外のメリットも多い。
エクスプレス予約の割引きっぷ
エクスプレス予約のきっぷは、当日でも東京⇔新大阪間のぞみ普通車指定席が14,450円⇒13,370円(おとな片道1名あたり)と1,080円も安く購入できます。
早期予約でさらに安くなる早得商品も豊富で、「EX早特21」は乗車日の21日前までの予約で、東京⇔新大阪間のぞみ普通車指定席が11,000円(おとな片道1名あたり)と3,450円もお得。その他グリーン車やこだまを対象にした割引きっぷもあります。
エクスプレス予約の早得の割引きっぷ一覧
名称 (予約期限) |
対象列車と 料金例(普通車おとな1名片道) |
---|---|
EX早得 (3日前まで) | 長距離区間の「のぞみ」普通車指定席とグリーン車 東京⇔岡山間/14,400円(▲2,940円)、東京⇔広島間/15,900円(▲3,180円) |
EX早得21 (21日前まで) | 乗車駅を朝6:00~6:59、昼11:00~15:59に出発する直通の「のぞみ」普通車指定席 東京⇔新大阪間/11,000円(▲3,450円)、東京⇔岡山間/13,000円(▲4,340円) |
EXグリーン早得 (3日前まで) | 乗車駅を朝6時台に出発する「のぞみ」と終日の「ひかり」のグリーン車 東京⇔新大阪間/14,400円(▲4,830円)、東京⇔京都間・・・13,860円(▲4,830円) |
EXこだまグリーン早特 (3日前まで) | 「こだま」グリーン車 東京⇔新大阪間・・・11,200円(▲7,720円)、東京⇔名古屋間・・・9,000円(▲5,470円) |
EXのぞみファミリー早特 (3日前まで) | 土休日の「のぞみ」普通車指定席とグリーン車(2名以上) 東京⇔新大阪間・・・12,340円(▲2,110円)※こども6,160円(▲1,060円) |
EXこだまファミリー早特 (3日前まで) | 「こだま」普通車指定席とグリーン車(2名以上) 東京⇔新大阪間・・・9,900円(▲4,240円)※こども4,950円(▲2,110円) |
エクスプレス予約の入会方法
エクスプレス予約の入会方法は以下の2通り。
- 年会費が必要な専用のクレジットカードを発行
- お持ちのクレジットカードにエクスプレス予約のサービスをプラスする
※いずれも年会費1,080円が必要です。
(1)年会費が必要な専用のクレジットカード
エクスプレス予約専用のクレジットカードは、JR東海の「エクスプレス・カード」とJR西日本の「J-WESTカード」の2種。
J-WESTカードは後述するJR西日本のe5489サービスの割引きっぷも購入できるので便利。
(2)サービスをプラスできる対象のカード
エクスプレス予約サービスを申し込めるクレジットカードは以下の通り。(※一部対象外のカードあり)
- ・ジェーシービー
- ・三井住友カード
- ・三菱UFJニコス
- ・トヨタファイナンス
- ・アメリカン・エキスプレス・インターナショナル
- ・イオンフィナンシャルサービス
- ・セディナ(OMCブランド)
- ・三井住友トラストクラブ
エクスプレス予約 新幹線の会員制ネット予約
東海道・山陽新幹線の会員制ネット予約「エクスプレス予約」のウェブサイト。
スマートEX
2017年9月30日にスタートした『スマートEX』は、東海道・山陽新幹線のネット予約サービス。東海道・山陽新幹線をインターネットで予約し交通系ICカードでの乗車が可能。
スマートEXのメリット
スマートEXは新幹線予約の会員専用サービスですが、エクスプレス予約とは異なり年会費が無料。お持ちのクレジットカードと交通系ICカード(Suica、ICOCA、PASMOなど)を登録すれば利用可能。
最大の特長は登録した交通系ICカードで新幹線に乗車できること(きっぷによる乗車も可)。エクスプレス予約に比べて気軽に利用できます。
スマートEXとエクスプレス予約の違い
スマートEX | エクスプレス予約 | |
年会費 | 無料 | 1,080円(税込) |
チケットレス乗車(1名利用) | 登録した交通系ICカードにて乗車 | 専用のICカードにて乗車 |
予約の変更 | 無料で何度でも | 無料で何度でも |
東京=新大阪間の料金 ※普通車指定席(通常期) |
14,250円(▲200円) | 13,370円(▲1,080円) |
「スマートEX」気軽にネット予約で新幹線を利用するなら!
『スマートEX』は年会費無料で気軽にはじめられる東海道・山陽新幹線のネット予約サービス。カンタンな登録だけで、すぐに新幹線の予約が可能。
JR東日本「えきねっと」
えきねっとは、JR東日本が運営する予約サイト。JRの予約サイトの中で唯一全国の新幹線やJR特急列車の指定席きっぷの予約ができます。東日本エリアを中心としたツアー商品も取り扱う。
運営 | JR東日本 |
---|---|
年会費 | 無料 |
対象路線 | 全国の新幹線、特急列車、一部の快速列車指定席 |
きっぷ受け取り | JR東日本・JR北海道の駅、JR西日本北陸エリアの一部駅 |
支払方法 | クレジットカードのみ |
えきねっとの割引きっぷ
えきねっとだけで買える会員限定の「えきねっとトクだ値」は、列車・席数・区間限定、インターネット予約限定のきっぷ。さらに乗車日13日前の予約で割引率の高い「お先にトクだ値」も購入できます。
きっぷの名称 | 「えきねっとトクだ値」「お先にトクだ値」(乗車券つき) |
---|---|
対象路線 | JR東日本の、東北・山形・秋田・上越・北陸新幹線、特急列車 |
きっぷの概要 | えきねっと会員限定、列車・席数・区間限定、インターネット予約限定のきっぷ。 |
利用条件 | 1回のお申込みで最大6名まで申込みが可能(おとな、こども合わせて)。13日前までの申込みでさらに割引率の高い「お先にトクだ値」あり ※利用にはえきねっと会員登録、クレジットカード決済が必要 ※その他諸条件はJRのサイトにてご確認ください。 |
きっぷの変更 | 変更は原則1回限り。2回目以降は払戻後、新規の申込みが必要。(※払戻時に払戻手数料が発生します。) |
JR東日本「えきねっと」
JR東日本管轄の新幹線・JR特急のきっぷ予約がインターネットで簡単・便利。東北・山形・秋田・上越・北陸新幹線のお得なきっぷがおすすめ。
JR西日本「e5489サービス」
運営 | JR西日本 |
---|---|
年会費 | 無料 |
対象路線 | JR西日本、JR四国、JR九州 |
きっぷ受け取り | JR西日本、JR四国、JR九州エリアとJR東日本の東京都区内、北陸新幹線停車駅 |
支払方法 | クレジットカード ※予約日から3日以内(乗車4日前~2日前の予約の場合は乗車日の2日前まで)の支払いに限り現金可(駅・コンビニ・金融機関etc) |
e5489サービスの割引きっぷ
割引きっぷは路線ごとに種類があり「J-WESTネット会員」対象のきっぷは路線が限られます。JR西日本発行の「J-WESTカード会員」なら対象路線が多く様々な割引きっぷが購入できます。
きっぷの名称 | 対象路線 | J-WESTカード会員 | J-WESTネット会員 |
---|---|---|---|
eきっぷ | 山陽・九州・北陸新幹線、JR西日本・JR四国・JR九州エリアの主な特急・急行列車 | 〇 | × |
e早特(乗車の3日前23:00までに予約) | 山陽・九州新幹線(新大阪・新神戸⇔熊本・鹿児島中央区間のみ)、JR西日本在来線グリーン車利用(特定区間) | 〇 | × |
e早特1(乗車の前日23:00までに予約) | 北陸新幹線(富山・新高岡・金沢・小松・加賀温泉・芦原温泉・福井・武生・敦賀・七尾・和倉温泉 ⇔ 大宮・上野・東京) | 〇 | × |
WEB早特1(乗車の前日23:00までに予約) | 北陸~首都圏、関西~北陸の普通車指定席(特定区間) | 〇 | 〇 |
スーパー早得きっぷ(乗車の14日前23:00までに予約) | 西日本~九州間の新幹線※詳細は次のセクションにて | 〇 | 〇 |
どのくらい安くなるのかというと、新大阪~熊本間の新幹線の場合『eきっぷ』利用で、17,780円が15,710円となり2,070円も安くなります(おとな1名片道あたり・普通車指定席利用)。往復ならおとな1名あたり4,140円も安くなり、家族ならの新幹線代をかなり節約することができます。
『e早特』なら事前予約が必要ですが、さらに割引率が高くなりお得。
「J-WESTカード会員」限定で安くなる
ただし『eきっぷ』や『e早特』は、「J-WESTカード会員」限定の割引きっぷなので、JR西日本発行のクレジットカード「J-WESTカード」をつくる必要がありますが、年に1度以上新幹線を利用しているなら持っておいて損はありません。
J-WESTカードには、前述した年会費が1,080円(税込)必要なエクスプレスと、年会費が実質無料※の「ベーシック」の2種類があります。
カード名 | エクスプレス |
ベーシック |
---|---|---|
カードの種類 | ||
年会費 | 1,080円(税込) | 実質無料※ |
エクスプレス予約 | 東海道・山陽新幹線(東京~博多)の会員制ネット予約 | ×不可 |
e5489 | 山陽・九州新幹線(新大阪~鹿児島中央)、北陸新幹線(金沢~東京)や、JR西日本・JR四国・JR九州エリアの主な特急列車の予約サービス「e5489」がご利用可能。 |
※初年度年会費無料。2年目以降、前年にショッピングでのカード利用が一度もない場合のみ1,080円(税込)
J-WESTカード
「J-WESTカード」は、ショッピングや列車予約、SMART ICOCAへのチャージ(入金)でJ-WESTポイントが貯まってお得。「J-WESTカード(エクスプレス)」は年会費が1,080円(税別)必要ですが、東海道新幹線を利用するなら割引額で十分に元はとれます。
JR西日本「JRおでかけネット」
JR西日本管轄の新幹線・JR特急のきっぷ予約がインターネットで簡単・便利。山陽・九州・北陸新幹線やJR西日本・JR四国・JR九州エリアの特急列車のお得なきっぷがおすすめ。
JR九州「インターネット列車予約サービス」
運営 | JR九州 |
---|---|
年会費 | 無料 |
対象路線 | 東海道新幹線・山陽新幹線・九州新幹線、JR九州・JR西日本エリアの特急列車 |
きっぷ受け取り | JR九州、西日本エリア |
支払方法 | クレジットカード ※予約日から4日以内(乗車4日前~2日前の予約の場合は乗車日の2日前まで)の支払いに限り現金可(駅・コンビニ・金融機関etc) |
九州内のネット限定割引きっぷ
JR九州内のインターネット限定のきっぷは、九州新幹線・九州内特急列車が年末年始やお盆などの連休時も利用制限なしでお得。
きっぷの名称 | 「九州ネットきっぷ」「九州ネット早得3」「九州ネット早得7」他 |
---|---|
対象路線 | JR九州管轄の、九州新幹線・特急列車 |
きっぷの概要 | JR九州インターネット列車予約サービス限定発売で、駅の窓口等では発売なし。 |
利用条件 | 列車の出発時刻の6分前まで予約ができます。また、同時に7名まで予約できます。 ※その他諸条件はJRのサイトにてご確認ください。 |
きっぷの変更 | きっぷ受取前・指定列車発車前なら、指定席の変更が手数料なしで何度でも可。(※一部予約後の変更ができない商品あり) |
博多~鹿児島中央間の料金例として、通常片道10,450円が、当日予約の『九州ネットきっぷ』で9,260円、3日前までの予約『九州ネット早得3』で8,600円。7日前までの予約『九州ネット早得7』なら7,710円と2,740円もお得。
九州~関西のネット限定割引きっぷ
九州~関西のネット限定きっぷは、JR九州が発行する「JQ CARD」が必要です(※スーパー早特きっぷ除く)。
JQ CARDセゾン
「JQ CARDセゾン」は年会費実質無料で、きっぷ、定期券の購入やSUGOCAへのオートチャージでポイントが貯まる。博多阪急では2%相当!貯めたJQポイントは、SUGOCA電子マネーへのチャージもOK。「JQ CARD」なら関西方面の新幹線も安くなる!
JR九州「インターネット列車予約サービス」
JR九州管轄の新幹線・JR特急のきっぷ予約がインターネットで簡単・便利。九州新幹線のお得なきっぷがおすすめ。
まとめ
いかがでしたでしょうか。JRはエリアの会社ごとにネット予約サービスが別で、発売している割引きっぷの種類が異なります。全国のJR共通のクレジットカードも存在しないんです。
それぞれ事情はあるんでしょうが、せめて予約システムを共通にして、同じ列車なら割引きっぷの条件も同じにして欲しいところです。